当劇場再建の最大の挑戦は、一つの建物内に大・中・小の三つの劇場を内包し、同時に公演が出来るシアターコンプレックスの形態をとったことです。近年多数のスクリーンを有し、同時に幾つもの作品が上映できる大規模映画館、いわゆるシネコンが更に複合施設へと進化を続けている中、当劇場の試みはこれの小規模な観劇版です。この点で一番憂慮すべき防振・防音の技術的判断の問題は、最大の効果を得る適切な対策として、大ホールと中ホールをボックスインボックス構造にする事で対応しました。これは絶縁した二重の箱の構造で、外の箱をコンクリートの構造体(躯体)が構成する「箱=ボックス」にし、内の箱を下地材と仕上げ材で構成する「箱=ボックス」にして、その「箱」同士の接触で振動(音)が伝達しないように、その間に絶縁材をはさむ構造です。
これによって大・中・小三つの劇場での同時公演が可能になり、常にそのいずれか、又はその全ての劇場で何かが公演されている、人で賑わう劇場を目指しています。そしてこの規模だからこその臨場感を、未だ小劇場を知らない全ての人達へその魅力を伝えていきたいと願っています。
■新しい劇場の形へ
これからはそれぞれの劇場を「BIG TREE THEATER」、「BOX in BOX THEATER」、「BASE THEATER」と新たに名前をつけ、それぞれが独自の空気を放つ劇場として育ってくれたらと願っています。そして時には逆に、二つの劇場、又は三つ全ての劇場を関連付けて、シアターグリーン全体で企画が出来たら面白くなると思います。
長い間小劇場の草分け的存在であった当劇場は、ここから活躍の場を広げていった多くの演劇人の故郷であり、原点であると自負しています。そしてこれからも、小劇場として若手劇団の登竜門として門戸を広げていくことが、当劇場の存在意義だと考えております。私たちは、多くの演劇ファンや、これから演劇に出会う人達に、常に何かを提供できる劇場であることで、演劇をより身近に、気軽に鑑賞して貰いたいと願っています。そして、小劇場という狭小空間の可能性をより広げ、ライブという価値を保ちながらも、映像等他のフィールドとより境界線をなくして、行き来の出来る様な地盤を構築できたらと考えています。 |